この「心の癖」はどうやって作られるかというと、3つの「ち」によって作られてゆきます。3つの「ち」とは、両親や家系から流れ込んでくる価値観や生き方、こだわりや偏見などの「血」、国や土地・地域、業界、学校、会社、団体等から流れ込んでくる価値観や生き方、ルールなどの「地」、そして時代から流れ込んでくる知識や情報などの「知」を表しています。これらの「ち」が私たちの心に与える影響の大きさは計りしれません。
何が言いたいのかというと、最近『生命を支配する陰陽の法則』という本を読んだのですが、現代の私たちがいかに「性」に対して偏見を持ち、間違った理解をしていたかがよくわかったのです。目次の一部を見ると、一見人前では読みにくいような過激な内容に思ってしまいますが(と思う時点で偏ってますね)、実際は性に関する真実が淡々とストレートにごく当たり前のこととして語られています。私たちの心はなぜか、性を「はずかしいもの」「軽いもの」「汚らわしい淫楽」と決め付けてしまう傾向を少なからず持っています。だからあまりあけっぴろげには語られませんよね。でもその一方で、男女の交わりによって生命が誕生するという自然の法則、「性」は聖なるものであるということも本質的には理解できています。この本はその相反する理解から生まれるジレンマ、不自由さから私たちを解き放ってくれます。女性は本来どうあるべきで、男性はどうあるべきか、結婚制度についてなど、この世に性を持って生まれてきた以上、偏りのないまっすぐな心で理解する必要が絶対あると思うのです。私も一、二度読んだぐらいではまだまだ頑固な心の癖を解放できてはいないのですが(特に一夫多妻制の是非については)、世の中の歪みを正すためにもぜひ多くの人に読んでもらいたいお薦めの本です。
この陰と陽というのは相反する二つのエネルギー(氣)のことだが、実はこの二つのエネルギーが、万物の存在を可能ならしめる根源的要素なのである。しかも陰陽には厳然たる法則性が備わっているがゆえに、古来より「陰陽の法則」と呼ばれているわけである。
本書は、森羅万象にあまねく行き渡っているこの「陰陽の法則」を土台としながら、それにのっとって性と交わりの真実を解き明かすものである。(中略)
一つだけ肝に銘じておいてもらいたいのは、女性も男性も、陰陽の交わりの法則を識ると識らないとでは、その後の人生の展開が、天と地ほどの差を生んでしまうということである。
すなわち、人の幸・不幸を恐ろしいまでに決定付けてしまうものがそこにあるということである。
「はじめに」より一部抜粋